序:あなたは何者か
・死を覚える時、思いがけない事が起きた時、自分の人生を深く考えさせられる。
・人生を考える以前に、自分が何者かを問う必要がある。
・自分の存在意義が不明瞭だと、自分の人生も不明瞭になる。
・キリスト者は、「イエス・キリストを救い主と信じる者」、「神の民とされている者」との自己意識が重要。
・自己の存在意義を明確にする時、人生における苦しみや悲しみにも大切な意味を見出す。
1:神に選ばれた者
・ペテロはキリスト者とは何者かを三つの点で示す。
・第一点: キリスト者は「神に選ばれている者」。
・ペテロは信仰の挫折を通して、自分がイエスに愛されている者、「神に選ばれている者」と知る。
・ローマ皇帝の崇拝を拒否したため、教会はローマ帝国からの迫害が強まっていた。
・迫害の中で、信仰の迷いを生じる者がいたため、ペテロはキリスト者とは何者かを伝えた。→1:1-2
・キリスト者は神に選ばれた者として特別な祝福を受けていることを伝える。→1:3
・キリスト者は復活されたキリストの力を受け、新しい命に生かされている。
・キリスト者は地上と天の恵みの重なる場所に立っている。そこでは摩擦が生じる。
・価値観が違うため迫害も被るが、天国の豊かさを受け取ることができる。
・世にあるものは全て朽ちるもの。しかし、キリスト者が受け取る天の資産は朽ちることはない。→1:4
1:5 あなたがたは、信仰により、神の御力によって守られており、終わりの時に現されるように用意されている救いをいただくのです。
・「終わりの時」とは、世の終わりの神の裁きの時。人間は地上での行いに応じたさばきを受ける。
・キリスト者は終わりの時に用意されている救いを受け取る。
・今がどんなに苦しい中にあっても、終わりの時にすべてが祝福と光栄に変わる。
2:しばらくの間苦しむ者
・第二点: キリスト者は「地上にあっては、しばらくの苦しみがある者」。→1:6
・罪ある私たちが、罪から離れて永遠の喜びに至るには苦しみが伴う。
・その苦しみは、私たちの罪や欲望の古い性質を取り除いていくため。
・その苦しみは、地上の価値観と天国の価値観の違いのために生じるもの。
・注目点は、信仰の戦いと苦しみは「しばらくの間」であり長期的なものではない。
・しばらくの間の苦しみと試練を通して、永遠のかけがえのない祝福が得られる。→1:7
・主イエスが私たちのために十字架の苦しみを受けてくださった。その愛に応え、私たちも主イエスのために苦しみを通るならば、主イエスとの深い愛の交わりが創出される。
・主イエスの昇天後にクリスチャンになった者たちは主イエスに出会ったことがない。しかし、主イエスを愛する思いに満たされて、迫害の中を歩んでいた。→1:8
3:最後に完成する者
・第三点: キリスト者は「最後に完成する者」。→1:5, 4:7
・「終わりの時」とは、「完成の時」という意味がある。
・人間は徐々に衰え最後に朽ち果てるが、主イエスの救いの中にある者は最後に完成する。
・完成することが決まっているからこそ、苦しみの中でも、希望を持って歩むことができる。
・私たちキリスト者は、苦しみの中にあっても、最後には完成に至るという希望がある。
・迫害の中で、キリスト者は神に選ばれた者としての言葉と態度がある。→2:23, 3:9
3:9 悪に対して悪を返さず、侮辱に対して侮辱を返さず、逆に祝福しなさい。あなたがたは祝福を受け継ぐために召されたのです。
・キリスト者がしばらくの間、地上の苦難の中にあるのは人々の救いと祝福のため。
・完成とは全ての人々の救いを目指す全世界の完成。それがキリスト者の地上での存在意義。