序.律法と歴史
・律法の書(創世記、出エジプト記、レビ記、民数記、申命記)
→神の民として守るべき律法(罪に陥らないため、滅びないため)
・歴史書(ヨシュア、士師、ルツ、サムエル、列王、歴代、エズラ、ネヘミヤ、エステル)
→神の民が神の律法(神の言葉)にどのように従ったのか
・「神の言葉に従うのかどうか」が、アダム以来、人間が問われていること。
1.士師記の特徴
・士師記の特徴は霊的な指導者がいないこと。→「王がいない」と表現。17:6、18:1
21:25 そのころ、イスラエルには王がなく、それぞれが自分の目に良いと見えることを行っていた。
・サムエル記から王が登場するが、士師記時代にはいなかった。
・イスラエルの民が、王という人間の支配者ではなく、まことの神にのみ従う訓練のため。
・王のいない士師記時代は、一人一人が神のことばに従う個々の信仰が問われた。
2.繰り返される罪、繰り返される恵み
(1)1~2章:ヨシュアの死後の出来事
(2)3~16章:士師たちの活躍
(3)17~21章:士師の時代の問題(自分勝手な正義)
・ヨシュアの死後、堕落し偶像に走るイスラエル。→2:10~11
・神はあえて異邦の民を残し、イスラエルの民の信仰を試した。→2:21, 3:4
・イスラエルが助けを叫ぶと、神は士師を遣わされた。→3:9
・士師とは、他の国々の圧迫から助け出す戦いにおける指導者。→3:10
・神は士師を王にすることはなく、民の一人一人の信仰が確立されることを願った。
・士師オテニエルが死ぬとイスラエルは再び罪に陥った。→3:11~12
a.イスラエル堕落⇒b.他国からの侵攻⇒c.神に助けを懇願⇒d.士師による救出⇒a.再び堕落
・ギデオン:臆病者→6:11 神の言葉に従順→6:27、7:2,4,7 高ぶりによる失敗→8:27
・イスラエルの罪が繰り返される中で、神の恵みも繰り返されている。
3.へりくだって従う
・繰り返される罪によってイスラエル全体が闇に覆われた。
・17章以降には礼拝の崩壊、女性蔑視の世俗的価値観による大事件。
・神の民イスラエルの霊的、道徳的腐敗。民族分裂の危機。→21:3
21:25 そのころ、イスラエルには王がなく、それぞれが自分の目に良いと見えることを行っていた。
・それぞれが自分の基準で事を行っていた秩序のない状態を表わす。
・酷いことをしていたにも関わらず、「自分の目に正しいと」見えた。そこに真の正義はない。
・神の言葉を基準とせずに、自分の考えや世の価値観を基準にしていた結末。
・自分の正義でこの世界を、また教会を良くしようとしても真の正義には至らず、問題が生じる。
・教会は、正しさを主張する場ではなく、へりくだって神の言葉を聞き、互いを高め合う集まり。
ピリピ2:3何事も利己的な思いや虚栄からするのではなく、へりくだって、互いに人を自分よりすぐれた者と思いなさい。
・教会の一番下に主イエスがへりくだって仕えておられる。主イエスのへりくだりが真の正義。
・共々に神の前にへりくだり、神の言葉を基準として、互いを高め合って歩みたい。