序.列王記の中心
・列王記は、神が神の民の中に住んでくださる恵みの出来事を語る。
・繁栄からイスラエル国家の分裂と滅亡に至るまで(BC960年~560年の約400年間)。
・滅亡の原因は偶像崇拝。特徴的な言葉は「主の目の前に悪を行った」。(悪王の列伝)
第一列王記:(1)ソロモン王・・・1-11章 (2)王国の分裂・・・12-22章、(3)エリヤ・・・17-22章
第二列王記:(1)エリシャ・・・1-10章 (2)分裂王国後期・・・12-17章 (3)南ユダ歴史・・・18-25章
・悪王の結果イスラエルは国を失うが、その中で霊的な輝きを放つのが神の恵み。
1.ソロモンの知恵
・ダビデから王位を継承するソロモン王(バテ・シェバの子)。
・ダビデのソロモンへの勧告→2:1~3 主の戒め(聖書の言葉)に立ち、神様との関係を第一に。
・神はソロモンに特別な知恵を与えた。→3:9~12
・ソロモンは官僚や軍事の組織化、国家の財政の拡充、さらに格言(箴言)や歌(雅歌)の作成などその豊かな知恵と才能を花咲かせる。ソロモンの知恵は瞬く間に周辺諸国に伝わる。→4:34
2.神殿建設
・ソロモンの最大の偉業は、神殿建設(7年かけ、金・銀で荘厳な建造物) →5:3~5:5
・なぜ、ソロモンは心血を注ぎ、財をつぎ込んで、神殿建設に取り組んだか?
→神を中心にした国家建設を目指す信仰的情熱ゆえ。
・神殿は、神の臨在を表わす。神殿を建てるとは、神ご自身を国家の中心に据えること。
(神殿の内部は、「聖所」と「至聖所」。「至聖所」には契約の箱。箱の中には十戒の石板)
・神をイスラエル国家と民の生活の中心にすることを願い神殿建設をしたソロモン。
3.ソロモンの祈り
・ソロモンの豊かな信仰は神殿完成のソロモンの祈りに表れている。→8:22~23, 27
・8:27の祈りは霊的に優れている。ソロモンは神がどのようなお方かを正しく理解していた。
→まことの神を人間は捉えることができない。人間が造ったものに住むようなお方ではない。
・神が住まわれる条件。それは、神のほうが「わたしはそこに住む」と宣言されること。→8:29
・神に関することは、神が決める。人間の自由な発想ではなく、神の言葉が重要。
・ソロモンの神殿建設は、神の約束に基づく。→8:18~19
・ソロモンの素晴らしさは謙虚な祈り。→8:28~30
・ソロモンの信仰は、神に祈るための神殿をイスラエルの霊的中心としたことに表れている。
4.ソロモンの堕落とイスラエルの滅亡
・信仰深かったソロモンの堕落。心が神から離れ、自分の知恵に自惚れ、女性におぼれ、異国の女性たちと結婚し多妻に。異国の妻たちの偶像に傾き、神の怒りがのぞむ。→11:8~9
・ソロモンの堕落と背信は、イスラエル国家の分裂をもたらし、後の王たちの堕落へと波及。
・国は北と南に分裂し、後の王のほとんどが神に従わず、偶像を拝む。
・BC722年北イスラエルはアッシリアに、BC586南ユダ王国はバビロンに攻め込まれ捕虜となる。
・神は預言者を通して悔い改めを迫るが、王たちは神の声に耳を傾けなかった。
・ソロモンが情熱を注いだ神殿も破壊された。もはや地上には神の住まわれる神殿はないのか。
・ソロモンの神殿が壊れても、神の約束の確かさは変わらない。(Ⅱサムエル7:16)
5.新しい神殿
・神は新しい神殿、壊れることのない神殿をイエス・キリストによって確立された。
Ⅰコリント3:16-17あなたがたは、自分が神の宮であり、神の御霊が自分のうちに住んでおられることを知らないのですか。
・主イエスを救い主と信じ、神に心から従っているキリストの教会が神の神殿となった。
マタイ 18:20 二人か三人がわたしの名において集まっているところには、わたしもその中にいるのです。
・私たちは、神の住まわれる神殿として、礼拝を重んじ、神の臨在を中心にして日々歩みたい。