序:旧約から新約へ
・マタイは、イエス・キリストこそ旧約聖書で預言されていた救い主だと主張。
・旧約のマラキから新約時代まで400年間、だれも預言者がいない中間時代(沈黙の時代)
・中間時代にはギリシャ語が共通語、道路整備がされ世界宣教への備えの時となった。
・旧約時代から待ち望んでいたメシヤは、ユダヤ人限定ではなく全世界の救い主であることを主張。
・旧約聖書、新約聖書が一貫している主題は「神の愛」とその現れである「イエス・キリスト」
1:系図の意味
・マタイは、ユダヤ民族を意識しているが、現代の私たちにも福音を告げる。
・旧約と新約の連続性の中で、イエスが誕生したことを系図によって明確にする。
2:貫かれる愛
・系図のポイントは「アブラハムの子孫、ダビデの子孫、イエス・キリストの系図」。→1:1
・アブラハムの選びとイスラエル民族と全世界の救いの計画。
創世記18:18アブラハムは必ず、強く大いなる国民となり、地のすべての国民は彼によって祝福される。
・神の約束通り、ユダヤ民族は大いなる国民となり、ダビデが王となった。
Ⅱサムエル7:12-13 あなたの日数が満ち、あなたが先祖とともに眠りにつくとき、わたしは、あなたの身から出る世継ぎの子をあなたの後に起こし、彼の王国を確立させる。
彼はわたしの名のために一つの家を建て、わたしは彼の王国の王座をとこしえまでも堅く立てる。
・これは、救い主イエスキリストの誕生を預言している。(イエスが生まれる1000年近く前)
マタイ1:17「ダビデからバビロン捕囚までが十四代」
・約束に忠実な神は、御自分の初めからの約束、アブラハム契約、ダビデ契約を貫き通す。
→エレミヤ23:5──【主】のことば──そのとき、わたしはダビデに一つの正しい若枝を起こす。彼は王となって治め、栄えて、この地に公正と義を行う。
・神の貫かれた愛の先に、救い主イエス・キリストの誕生がある。
3:罪人を招くために
・パリサイ人、律法学者は、自分の正しさを主張し、誤ったメシヤ像を思い描いていた。
・キリストの批判は、自分を正しいとするパリサイ人、律法学者たちに向けられた。→マタイ9:10-13
マタイ9:13 『わたしが喜びとするのは真実の愛。いけにえではない』とはどういう意味か、行って学びなさい。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためです。」
・「正しい人」とは、自分の正しさをアピールし、自分の罪や弱さを認めない者たちのこと。
・「罪人」とは、自分の罪を認めた者たちのこと。
・マタイは、イエス・キリストが罪人の世界に来てくださったことの真の意味を明らかにする。
・ユダヤの系図では決して名前を載せるべきでない女性の名前を4人も入れる。
1:3「タマル」(創世記38章)、1:5「ラハブ」(ヨシュア2章)、1:5「ルツ」、1:6「ウリヤの妻」
・マタイは自分の国の罪を隠さず、「我々は己の罪を認めなければならない」ことを訴えている。
4:慰めるために
・同時に、マタイの系図は神の救いの熱心も明らかにする。
・タマル、ラハブ、ルツ、ウリヤの妻は、犯してしまった罪ゆえに悩み苦しむ生涯だった。
・しかし、主イエスは4人の婦人たちの流し続けてきた涙をぬぐい取ってくださるために誕生された。
・系図のメッセージ・・・「罪に苦しむあなたたちに出会うために、わたしはこの世に生まれた」
マタイ9:13わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためです。
・罪に苦しみ、悲しみに沈む私たちを罪から救い慰めるためにイエスは、この世に誕生された。
・変わることのない神の愛が、歴史を通じて貫かれ、今日、私たちにも届けられている。
・クリスマスの時節、神の愛とキリストの恵みの救いに感謝して歩もう。