序.エズラのテーマ
・永遠に続く聖書(神のことば)を土台として歩む時、その人生は確かなものとなる。
イザヤ40:8 草はしおれ、花は散る。しかし、私たちの神のことばは永遠に立つ。
1.神のことばの実現
(1)1~6章: エルサレム帰還, 神殿再建
(2)7~10章:エズラの活躍
・エズラ記の主題は「神のことば(聖書)の実現」
1:1 ペルシアの王キュロスの第一年に、エレミヤによって告げられた【主】のことばが成就するために、【主】はペルシアの王キュロスの霊を奮い立たせた。王は王国中に通達を出し、また文書にもした。
上記のエズラ1:1は、前書Ⅱ歴代誌の最後と全く同じ文言。→Ⅱ歴代誌36:22~23
・Ⅱ歴代誌の最後は、イスラエル国家の滅亡を記す。→Ⅱ歴代誌36:19~20
・イスラエル国家の滅亡とは、絶望的な出来事。それは神の裁き。
・神の民は何度も神にさからい続けた結果、裁きがくだった。→詩篇96:13(当時の歌)
・しかし、神は裁きだけでなく、永遠の祝福も宣言されていた。→Ⅱサムエル7:16(ダビデ契約)
Ⅱサムエル7:16 あなたの家とあなたの王国は、あなたの前にとこしえまでも確かなものとなり、あなたの王座はとこしえまでも堅く立つ。
2.裁きの厳しさ、救いの確かさ
・神は宣言された契約のゆえに、回復の道も備えてくださる。
・神は、ペルシャ帝国のクロス王を用いて、捕われていたユダヤ人たちを解放した。
・この出来事は神のことばの実現であった。→Ⅱ歴代誌36:21, エレミヤ29:10
エレミヤ29:10 まことに、【主】はこう言われる。『バビロンに七十年が満ちるころ、わたしはあなたがたを顧み、あなたがたにいつくしみの約束を果たして、あなたがたをこの場所に帰らせる。
・神は、ご自分の約束の実現のためなら、異邦の民をも用いて計画を実行される。
・神はクロス王を通して、民の解放のみならず、神殿の再建も告げた。→1:2~1:3
・バビロンから42,360人もの捕囚の民が帰還し、礼拝をささげ、神殿の再建を開始。→3:8
・神殿工事には多くの妨げがあったが、神殿は完成。→6:15
6:15 こうして、この宮はダレイオス王の治世の第六年、アダルの月の三日に完成した。
3.新しい歩み
・神殿が完成して後、預言者エズラが登場。→7:1
・イスラエル民は三つの集団でバビロンからエルサレムに帰還。
・第一団の約50年後に第二団が帰還、エズラはその指導者。→7:6
・エズラは聖書学者であり祭司。
・エズラを通して神のことばが正しく語られ実現するように、神の導きが常にあった。→7:9~7:10
・民たちの霊的な状態を確かめるためにエズラは聖書を携えてきた。→7:14
・「調査するように」とは、民たちが聖書通りに礼拝し、日々を歩んでいるかを確かめ導くため。
・エズラが見た現実は、民たちが異教的影響を受け、雑婚と偶像崇拝に陥っていた霊的危機。
・神殿はお飾りとなり、神のことばは生活の場から喪失し、民たちは自分勝手な歩みをしていた。
・エズラは、民の代表として涙ながらに悔い改めの祈りをした。→9:14~15
・民たちの中からも悔い改めがおきた。→10:1
・神は、神のことばが神の民の中で実現されることを望まれる。
ルカ1:45 主によって語られたことは必ず実現すると信じた人は、幸いです。
・神の裁きは主イエスの十字架に下った。私たちは神のことばを実現する者として救われた。
・神のことばに従い、神のことばを地上に実現する者として歩みたい。